600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス [by 上阪 徹 (著)]
600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス (角川SSC新書)
角川SSコミュニケーションズ 2009-05-07 posted at 2009/08/22 |
★━━━こう思ったら読め!━━━━━━━━━━━━━━━━★
『ベンチャーから600万人の支持を受けるサイトへの成長』
何に注力して何を捨てたのだろうか
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
☆気になったキーワード
『説明が必要なサービスはレベルが低い』 『お金の保証』
『なぜ「女心」をつかんだのか』 『男性にはほとんど知名度がない』
★━━━━本の著者に聞きたいこと━━━━━━━━━━━━━★
『なぜサービスを立ち上げたのか』
そして、進む方向性を決めたのだろうか
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
☆本から得た気づき
━━━━━━あらすじ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼『良いサービスは、説明がいらない』
▼『「無言実行」という原則』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼『良いサービスは、説明がいらない』
一部のファンに熱狂的に支持されるニッチなサービス。
多くのユーザーに利用されるメジャーなサービス。
どちらも必要なものであり、だからこそ両方のサービスが
成立してサイトが存在しているわけですが
この2つには大きな違いがあると思っています。
もちろん、規模、そして知名度は段違いですが
サービスという観点から見ると
誰でも使えるサービスにする必要があるかどうか。
ではないでしょうか。
ニッチなサービスであれば、使う対象者が絞り込まれているわけですから
【お約束】が存在していても大丈夫です。
インターネットに詳しいコミュニティに属している人だけが
対象のサービスであれば、ファイルのダウンロードの説明など
不要でしょう。単純にボタンを設置するだけでも
大丈夫かもしれません。
ところが、対象者が広がれば広がるほど「前提となるお約束」の
存在は怪しくなってきます。
ある人が当たり前だと思うことが、他の人にとっては
当たり前ではなくなるからです。
そんなときに、どうするか?というと一般的には
「よくある質問」「FAQ」などのページを設けて
ユーザーに対して「サービスの説明」をするわけです。
ひどいサイトになると、何か一つのそうさをするにも
FAQをみないといけなくなっていて、
FAQを探すためのFAQが存在してしまったり・・・(^^;;)
それではいけない!と巨大サイトにもかかわらず
クックパッドの運営方針として「見ただけで導線がわかるサービス」
を目指しているというのです。
私自身は、まだクックパッドにレシピを投稿したことがないので
本からの読み取りの情報になりますが
・写真を投稿するところが一番わかりやすいところに
・レシピの材料と手順の入力場所を間違えないように
適した文字数制限を適用している
など、「間違えが起こらない」仕組みをあらかじめ
作り上げているというのです。
小さいニッチなサービスを運営したり
システムを提供している立場でもある私として
これの対応がどれだけすごいことか!ということが
強く感じています。
どうしても、機能の充実や他にないことを追求しようとすると
費用対効果の面から、ユーザービリティの一部が
犠牲になってしまうコトが多いのですが
それを「いさぎよし」とせずに、徹底的に
「説明のいらないサービス」を目指す姿勢は、感嘆ものです。
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▼『「無言実行」という原則』
「有言実行」という言葉はよく聞くことです。
自分が発言したことをきちんと実行する
ちゃんとした人かどうかを判断する要素になるわけですが・・・
クックパッドの3つの原則うちのひとつは
「無言実行」というのです。
これはなぜか?
それはたとえば、システムのリニューアルで
説明をしてみましょう。
システムのリニューアルという言葉を聞くと
ユーザーである私たちはどんなイメージを持ちますか?
それは・・・たぶん
いままでに比べてよりよいシステムとなるという
「期待」がうまれるとおもうのです。
実は、本質的なユーザーに対する見えている部分
(ユーザーインターフェース)が変わらなくても
裏側の大規模なリニューアルというのはよくある話ですが
この場合のリニューアルは「ユーザーの期待」に
答えられずに裏切ってしまうことになるのです。
これって裏側のシステムをよりよくすることで
遠回しながらユーザーの使い勝手を良くするものであるはずなのに
「感情」としてうまれてしまう期待を裏切ってしまうのは
ユーザーに申し訳ないのではないでしょうか?
というとらえ方はとってもおもしろかったです。
確かに私自身、自分が運営しているニッチなシステムを
リニューアルするときにも、前もってユーザーに
告知することはあまりありません。
というのも、スケジュールがずれこんでしまったり
当初予定していたものとは違う形でのリニューアルオープンになることが
結構よくあるからです。
#作り込んでいく内に、こちらのほうがいいのではないか?
#という「昇華」が生まれるからです。
となると、前もって「発表」してしまうよりも
常にユーザーのために動くにはどうすればいいのか?
という視点で行動を続けるという意思の表れが「無言実行」
なのではないでしょうか。
★━━━この本を読んで自分が決意したこと━━━━━━━━━★
『無言実行』
つねに、よりよいものを作り出すために
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
本著は非常に楽しく読ませていただきました。
クックパッドを使っていないのになぜ?
というと、2000年頃の一時期
クックパッドの社長でいらっしゃる佐野さんと
ちょっとしたご縁があったからです。
(ほんのちょっとしたものなので、先方は記憶にないかもしれません)
最近、知り合いの著者が増えているという点も含めて
自らの「身近」だと少しでも感じられる人の物語を読むのは
非常に楽しいことです。
そして本著では「信念」を持って運営しているサービスの
「強さ」をとっても感じることができました。
これが仮に「儲けること」だけを考えているサービスだったら
本当にすぐになくなってしまったはずだと思うのです。
ネット系のサービスで花開くまで7年ということは
まずないですからね。。。
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