山手線と東海道新幹線では、どちらが儲かっているのか? [by 中嶋 茂夫 (著)]
山手線と東海道新幹線では、どちらが儲かっているのか? 中嶋 茂夫 洋泉社 2010-09-24 posted at 2010/10/21 |
★━━━こう思ったら読め!━━━━━━━━━━━━━━━━★
『さてどちら?』
実際どちらも超黒字路線ですが・・
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☆気になったキーワード
『収支係数』 『効果的な設備投資』
『乗客回転率』 『DMV』
★━━━━本の著者に聞きたいこと━━━━━━━━━━━━━★
『鉄道を儲かるビジネスにするためには?』
普段何気なく使っているものがどうやって運営されているのか?
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☆本から得た気づき
━━━━━━あらすじ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼『DMVと運行経費の関係』
▼『なぜスイートは2室しかないのか?』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼『DMVと運行経費の関係』
DMVという乗り物を知っていますか?
鉄道が好きじゃないとほとんどの人が知らないかもしれませんが・・・
DMV=デュアル・モード・ビークル
という乗り物です。
デュアル=2つ ということは水陸両用車?
と思ったあなた。おしい(笑)
2つのモードというのは事実なのですがバスを線路でも道路でも
走れるようにしたという代物。
JR北海道が開発をしていて、ローカル線の救世主になると
注目をされている乗り物です。
ん?ではなぜこういう新しい電車が開発されることになったのでしょうか?
そのあたりを本著で中嶋さんがふれているわけですが
それは、鉄道で運営する場合にはかかる経費が膨大すぎると言うことです。
まず車両。
未電化区間を走る気動車では一両1億円以上の制作費がかかるそうで
さらに鉄道の維持経費も当然ながら会社負担。
となると乗客が少ない地域ではその経費を補えないわけですが
これがDMVとなると、制作費は約1/5の2000万で
燃料費も同じく1/5程度になるんだそうです。
経費が1/5になれば、それだけ収支が改善しますから
鉄道を廃止する必要がなくなるという意味で注目度が高いと言うこと
なのだそうです。
ところが、私がDMVの存在を注目していたときから
解決していない疑問がひとつあります。
というのは、DMVを鉄道で走らせることのメリットは上記の観点から
よくわかるのですが、鉄道を残しておく必要がある
メリットってなんでしょう?
地域のシンボルとしてという心理的な側面は別です。
それ以外でどんなメリットがあるのでしょうか?
経費的な側面で言えば、バスを走らせてもほぼ同額であると
予想しているのと、鉄路の維持経費がいらなくなりますから
(道路は民間のものではないため)
バスでよくないのか?という点です。
ローカル地域であればいわゆる交通渋滞なども少ないでしょうからね。
いくら経費的に近しいものであっても、機能的に増える分
コストや重量は増えて、乗客数は減るわけですから。
ただ鉄道は「時間に比較的正確」
「バスよりも公共交通がちゃんとあるイメージがある」
などの観点や
もしかして鉄道の方が雪に強い?などの可能性もあるので、
この文章を読んでいるであろう中嶋さんの
回答をぜひ知りたいなと思っています(笑)
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▼『なぜスイートは2室しかないのか?』
トワイライトエクスプレスという豪華長距離列車があります。
大阪-札幌間を22時間かけて走る、日本最長距離を走る寝台特急。
飛行機であれば数時間のところを22時間ですから
当然ながら「移動のため」ではなく「旅自体を楽しむため」に乗る列車。
その乗客からの人気ぶりは、中嶋さんからいつも聞いているので
よくよくわかります(笑)
さて、その豪華列車の中でも、最も高い部屋がスイート。
実はこのスイート1編成あたりに実は2室しかないんだそうです。
お客さんが少ないから部屋数が少ないのか?
といえば、そんなことはなく、いつも予約でいっぱいで
JRの予約開始は利用日の1ヶ月前の日からなのですが
その日の朝の予約開始時刻に埋まってしまうほどだとか。
あれ?それだけ人気があれば、もっと部屋数を増やせばいいじゃないか?
というのが人情ですが、さてそのあたりを中嶋さんが
読み解いてくださいます。
ではなぜ増やさないのか?というと、注目すべきところは
1車両あたりの定員と、一人あたりの単価です。
本著によればスイートがある車両の定員がわずか6名に対して
普通のB個室を備える車両の定員は最大32名。
では一人あたりに設定されている価格の差は?というと
約2倍の差でしかありません。
ということは・・・・乗車率が同じであれば
一車両あたりの売り上げがどちらがおおいのか?
と考えれば、実は数字は正直で、スイートを備えている車両の売上高は
それほど高くはないのです。
これは、一車両あたりの面積が限られているために
一人あたりの専有面積を減らしている車両の方が
売り上げが高くなってしまうという現実が引き起こしている逆転現象。
それならば、すべて安い部屋でいいじゃないか?
というと、「豪華寝台特急」というイメージが作れなくなってしまうと
中嶋さんは指摘しています。
なるほど、確かにそれはありますよね。
すごいものだ!ということを聞くと人は自分も体験してみたくなります。
たとえばリッツカールトンという有名なホテルがありますが
部屋に泊まることができなくても、ホテルロビーの喫茶を体験してみようと
おもうように、「ブランド」をつくりあげているところには
人は集まってくるのですから。
こういう視点で鉄道の運営を眺めてみるとおもしろいですね。
★━━━この本を読んで自分が決意したこと━━━━━━━━━★
『収益を最大化させる方法はいろいろとある』
取り組んでみないとわからないことがおおいぞ
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中嶋さんが書いている冒頭の前書きで気になるキーワードがありました。
それは「時刻表2万キロ」という書籍の名前。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/404159801X/maruruchan-22/ref=nosim
実はわたしもこの書籍に出会ったときに、かなり衝撃を受けて
鉄道が好きになりました。
著者の宮脇さんは、当時の国鉄全線を乗る!ということで
北海道から九州に至るまで日本各地されている話なのですが
最初から全線を目指していたわけではないので
残っているのは、盲腸線だったり、
少しだけ延伸してしまったところだったり(^^;;)
今となってはかなり廃止されてしまった線もあり
北海道なんかの鉄道地図を見ていると結構悲しいことになってしまいましたが
鉄道がドコを走っているんだろうな?と地図を見るクセが
ついてしまったのがこの本だったような記憶があります。
そう考えると書籍との出会いって人生に影響を与えますねー
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