会社のデスノート トヨタ、JAL、ヨーカ堂が、なぜ? [by 鈴木 貴博 (著)]
会社のデスノート トヨタ、JAL、ヨーカ堂が、なぜ?
朝日新聞出版 2009-11-06 posted at 2010/02/12 |
★━━━こう思ったら読め!━━━━━━━━━━━━━━━━★
『なぜ企業のビジネスが衰退するのか?』
「死」にむかって進んでしまう理由とは
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
☆気になったキーワード
『セブン-イレブン・エフェクト』 『価格弾力性』
『経済成長がすべてを癒す』 『市場飽和後』
★━━━━本の著者に聞きたいこと━━━━━━━━━━━━━★
『これから目指していくべき活路は?』
デフレ、デフレといいますが・・
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
☆本から得た気づき
━━━━━━あらすじ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼『安くしたら本当に儲かるのか?』
▼『重サービス業へのシフト』
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▼『安くしたら本当に儲かるのか?』
不況になったなー。
仕方ない、価格競争は怖いけど
価格を下げるしかないか
と価格を下げる方向に踏み切る事業者は多いかもしれません。
さて、ココで考えて欲しいのは
価格を下げると本当に売上はあがるのか?
ということ。
正確に言えば、価格を下げたとして
最終的な売上金額は増えるのか?
ということです。
価格を下げる決断をしたのは
一般的には、売上の総額が減ってきているから
売上高を増やすために行うべきもの。
ですから、価格を下げてその単品当たりの利益低下を
補えるだけの数量拡大ができるか?という点です。
ここで本著で頻繁に出てくる考え方が
「価格弾力性」
特に、長期価格弾力性に注目しています。
これは、短期的には値下げの効果が出る場合がありますが
長期的に見たときに、短期間の効果が終わったとしても
長期的に見て値下げが正解か不正解か?を判断しているもの。
詳しい定義は本著をみていただきたいのですが
この価格弾力性が1.0以上であれば、値下げが正解。
そうでなければ不正解であると。
例を挙げると、
卵:0.1,文房具:0.3 牛肉:0.4
などに対して
映画:3.7 旅行:2.8 おケイコ事:1.6
などとなっています。
と考えてみると・・・いわゆる生活必需品は
高くても買わないといけない反面、安くなったとしても
限界の消費量がありますので、それ以上売れることはないわけです。
高級牛肉の価格が半分になったとしても
いままでの倍の量を食べ続けられるわけではありませんからね。
もちろん短期的には「お、せっかくだから高級牛肉を」と
購買意欲がわきますが、長期的に見たときに
消費量が倍になることはないということ。
自分たちの提供している商品・サービスが
いったいどちらにあたるのか?ということは
伝統的な産業でない限り、統計値がありませんので
自分で判断をするしかありません。
たぶん・・・私などであれば・・・
自分なりの答えを用意しておきましょうね。
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▼『重サービス業へのシフト』
「重サービス業」ってなんだ?
と思われるかもしれません。
本著の著者、鈴木さんが作られた言葉ですから無理もありません。
では、類推で考えてみましょう。
「軽工業」と「重工業」の。
この2つの違いってなんでしょうか?
・・・・
はい。前者が「労働集約型」であるのにたいして
後者が「設備投資型」であるといえるのではないでしょうか。
つまり、視点をあわせてみると
「初期投資が必要かどうか=参入障壁が高いかどうか」
というポイントです。
いわゆる先進国と言われる国々が
はやいうちから「重工業」を推進することで
その国力を高めていったように、
サービス業についても「重サービス業」化を推進していくのが
将来を開く道ではないか?という提言だと思います。
では「重サービス業」ってなんだ?
と考えると、現在のサービス業とは間逆の発想だと
考えればOK。
たとえば、これまでの警備会社が、家1軒ごとに
一人の守衛をつけていることを考えてみると
#ちょっと例が極端ですが
セコムなどのように、システムを導入して
人員の配置を最小限にするような形。
今の日本において実は、もっともコストがかさむのが
「人を介在させること」ではないでしょうか。
介護といわれる業界が、なぜ人手不足なのか?
といえば、サービス提供者一人当たりで対応可能な
サービス受益者(この場合には高齢の方が多い)の人数が
少ないのにもかかわらず、
受益者の方からいただくことが可能な金額が
思うほど高くないと言うことに原因があります。
数字で言えば、受益者の支払える金額が月に5万だとすれば
対応側が1人で5人をみることができて
やっと5万×5人=25万。
これでは給料がやっとで、運営経費などはでませんよね。
ところが、これをなんらかのシステムで人数を増やすことができれば・・
価格も廉価になって、運営側にもビジネスとしての
目算が立ってくるのではないでしょうか。
そのために必要なのは、膨大なシステムとノウハウかもしれません。
しかし、いったん会得してしまえば
それが逆に参入障壁になりますから
あとは「長期的な」ビジネスになっていくことができますね。
★━━━この本を読んで自分が決意したこと━━━━━━━━━★
『重サービス業化をめざしてみる』
価格競争に巻き込まれないためにも
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
重サービス業と言う言葉は初めて聞きましたが
言い得て妙な言葉かもしれません。
特に重サービス業で必至な要素の一つに「IT化」が
あります。
私自身、少ない人数でのサービス開発・提供を
心がけていますので
このあたりはとっても興味があることですし
敏感にならざるを得ません。
価格を下げることが適当なことなのではなく
高価格帯であっても、その価格帯において
「価格以上にお得」と思われるようなサービスを
いかにして開発できるか?&維持できるのか?
という視点はとても大事にしたいところです。
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