即戦力の人心術―部下を持つすべての人に役立つ [by マイケル・アブラショフ (著), 吉越 浩一郎 (翻訳)]
即戦力の人心術―部下を持つすべての人に役立つ 吉越 浩一郎 三笠書房 2008-09 posted at 2008/11/08 |
★━━━こう思ったら読め!━━━━━━━━━━━━━━━━★
『自分のやっているリーダーシップに不安があるならば』
他の人のことはちゃんと判断できます
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☆気になったキーワード
『大切に扱ってもらえない』 『決定権』
『応援団長』 『才能に役職などない』
★━━━━本の著者に聞きたいこと━━━━━━━━━━━━━★
『常に改善していくためのチームの基礎作りとは』
自分一人ではなにもできないのですから
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☆本から得た気づき
━━━━━━あらすじ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼『何が一番の問題点か』
▼『一番大事なことは何か-マニュアルはすぐ腐る』
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▼『何が一番の問題点か』
著者が新任の艦長として戦艦ベンフォルドに着任したとき
ある調査を行いました。
当時、艦員の定着率がかなり低かったため
なぜに、艦を離れるのか?という調査を行ったのです。
最初に想定していたのは「給料が安い」という理由が
1位になると思っていたのですが・・・
実際に1位になったのは
上司から大切に扱ってもらえないこと
という理由だったのです。
戦艦の乗組員は特殊技能を必要としていて
新人を育てるにも当然時間がかかりますから、定着率が
低いというのは大きな問題です。
プロ集団として様々な問題を解決していこうとするとき
前提となるスキルを持っていないことには次の一歩を
踏み出せないわけですから。
実は戦艦の事例だけではなく、一般の会社においても
給料は5番目の理由に過ぎなかったことがわかったと
著者は語ります。
パワーハラスメント(パワハラ)という言葉は
もうよく聞くようになって久しいですが、
「オレは偉いんだ!」と周りに対して圧政を引くような
リーダーシップは、そのときは「面従腹背」というように
後ろで舌を出しながら、頭をさげてくれますが
チームとしての能力は下がる一方。
だって本質的には抵抗感がいっぱいで、やる気がでないのですから。
リーダー自身が「オレは偉いんだ!」と感じるのは
私のことを尊敬してほしい!という欲求の裏返しだと思います。
ということは、自分がしてほしいことは当然あいてもしてほしい可能性が
あるんだ!ということに思い当たれば
メンバーのことを大切に扱って、尊敬しないと言うことは
ありえないはず。
この大前提を理解するのではなく、ホンネに落とし込むことができて
初めていろんな行動や施策が生きてくるのではないでしょうか。
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▼『一番大事なことは何か-マニュアルはすぐ腐る』
マニュアル化は重要である。
このことは真理でもあり、そうでなかったりもします。
というのは・・・
マニュアルがなければ、人によって得られる成果が
異なったり、悪い場合には成果どころか
マイナスの結果が得られてしまう場合があります。
また、ベテランがいなくなってしまい
新人だけになったとき、マニュアルなどが引き継がれていないと
それまでに蓄積されてきた「知」が全くないまま
ゼロからやり直しと言うことになりますから
そのロスは非常に大きいという意味においても
マニュアル化は非常に重要なのです。
さて、ここでひとつ考えてみましょう。
なんのためにマニュアル化するのでしょうか?
・・・・・・・・
はい。繰り返しですが「目的を達成する」ためですね。
ですから、目的を達成するために
マニュアルが阻害条件になっているときは、マニュアルを
改訂するか破棄しないといけないのです。
金科玉条のようにマニュアルを固守することは
目的と手段をはき違えていることになり
非常に有害なこと。
ここで本著に出てくる言葉に
「マニュアルはすぐ腐る」というキーワードがありました。
たしかに、外部条件がまったく変化しなければ
マニュアルは非常に有効で
代々伝えていく価値が非常に高いモノです。
でも「一番達成すべき大事なこと」を
達成できなくなるような変化がおこっているのに
マニュアルに固執することがあってはいけないのです。
そう考えると生鮮食料品と同じ扱いを
するべきものがマニュアルで常に手を加えていかないと
いけませんね。
★━━━この本を読んで自分が決意したこと━━━━━━━━━★
『何が一番大切であるかを考える』
すべてのことは影響し合う
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本著は、寺田先生の「フォーカス・リーディング」の
集中講座の際に、トレーニングで繰り返し読み返して
かなり読みました(笑)
もともと一度既読した本ではありましたが
繰り返し読み返してみると、気がつくことは
「自分にとってここは!」と感じるモノがある言葉が
繰り返し目に入って、脳に焼き付くと言うことです。
本著の著者は、アメリカの戦艦の艦長として赴任し
艦の実績を在任中に、艦隊でNo.1に引き上げた実績を持つ方。
その彼が繰り返しやっていること。
それが
「部下を信頼すること」
「現場に情報があることを信じていること」
ではないでしょうか。
机上の空論や、「どうせできないから」と投げ出す人よりも
実際になにか「よりよくするにはどうすればいいのか」
と行動する現場の人間を信頼することを
常に貫きとおしているわけです。
軍隊という組織は基本的に「前例踏襲」型であり
上意下達の考えが徹底されています。
生死の狭間をさまようときに、誰の命令に従うか
を体にたたき込んでおかないと、瞬時の迷いが生じてしまう
組織の特性上からそうなるのは必然なのですが
それも「生き残り、成果を達成する」ために
必要なことだから。
この「生き残り、成果を達成する」ために
前例に疑問を持ち、改善していく姿勢を
平時においてもっているものだけが、非常時において
ポジティブに戦っていけるという証左ではないでしょうか。
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